Endless world -咬龍の庭-
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創作小説『バルドフォースG』第二十四章

本文とは全然関係の無いことなんですが、今日の深夜からデスノのアニメがはじまりますね。
映画が非常によく出来ていたこともあり、あの名作がどのような作品になるのか、今から非常に楽しみです(^-^。
あと、明日の更新はネギま!考察を予定しております。何せ、明後日には週遅れになってしまいますからね(^-^;。


では、いつも通り本文へは「READ MORE」にてどうぞ~。








バルドフォース エグゼ
バルドフォース エグゼ
PlayStation2
アルケミスト










HG 1/144 モビルシグー
HG 1/144 モビルシグー

バンダイ

 


バルG第二十四章 『潜入』





 チュンチュン、チチチ・・・・。
アシュラン:「う、うう・・・・」
 古びた窓から差し込んでくる陽光に目を射られ、アシュランは目覚めた。雀の鳴き声が、このにわかに老朽化した建物の壁から、染み入るように聞こえてくる。
アシュラン:「ここ・・・は?」
 アシュランは、周囲に広がっていた見慣れぬ光景に少し戸惑った後、ここが昨日一騒動の末やってきた、透たち『草原の狼(ステッペン・ウルフ)』のアジトであることを思い出す。
アシュラン:「そうか・・・、俺、ここ来てすぐに、眠ってしまったんだった・・・・」
 アシュランは、まだ眠気の取れない意識で、ぼんやりと周囲を見渡した。
 古びた機材に囲まれながらも、どこか片付いた小奇麗な空間。きっと月菜か、“優哉”という人がこまめに掃除をしていたのだろう。また、それぞれの機材も、大切に使い込まれていたのが一目でわかる。
 チームの仲間が、どれほどこの空間を愛し、どれほどこの空間に集まる一時を大切に思っていたかが、ここの雰囲気からありありと感じ取れた。
アシュラン:「ここが、『ステッペン・ウルフ』の・・・透やあきらたちのアジトか・・・・。確かに、いい場所だな、ここは」
 アシュランが、しみじみとした気分になり、この場所の空気を胸いっぱいに吸い込もうとした時だった。
アシュラン:「・・・・ん?」
 何か、不穏な匂いが、アシュランの鼻腔をきつく刺激した。同時に、ゴポゴポという、不気味な物音が、アシュランの耳に聞こえてくる。
アシュラン:「これは・・・・うわ!!!?」
 匂いのする方向を見て、アシュランは一瞬、心臓が口から飛び出しそうになった。
 そこでは、バチェラが簡易の台所で何やら悪戦苦闘しながら、鍋からボコボコと魔法の薬のように不気味な音と泡を立てる液体を煮詰め、フライパンから真っ黒な、見るからに有毒そうな煙を上げていたのだった。
アシュラン:「バ、バチェラ!!?君、何やってるんだ!!!」
バチェラ:「え・・・・?」
 お約束通りと言うか何と言うか、振り向いたバチェラの顔は、煤で真っ黒だった。
バチェラ:「何って・・・朝ご飯と、モーニングコーヒーだよ。アシュラン、気持ち良さそうに寝てたからね。何か作ろうかと思って」
 ということは、一歩間違えれば危うく一酸化炭素中毒で永遠の眠りにつくところだったのか。
アシュラン:「そ、そうか・・・。だけど、何も無理して手の込んだものを作らなくてもいいんじゃないか?ここには、インスタント食品くらい備えてあるだろ?」
 失礼ながら、バチェラはこういう料理をするよりも、インスタント食品を手際よく準備する方が慣れてるタイプに見える。
バチェラ:「でもさ、アシュラン、インスタントとか食べない人かな、と思ったんだよ、何となく」
 確かにインスタント食品は好きな方ではないが、これを食べるくらいならインスタントを食べる。何しろ、コーヒーは見事なまでに黒くドロリトしたタールの様な液体に仕上がっており、フライパンの上の目玉焼き(だろうか?確証は持てない)は真っ黒な炭の塊と化していたのだ。
バチェラ:「やっぱ・・・ダメ、だったかな・・?」
 バチェラは泣きそうな顔でアシュランを見つめる。そんな、親に叱られた子供のような顔をされると、アシュランとしてはどうにもやりづらい。
アシュラン:「ま、まあ、料理は味見してみないとわからないけどな・・・・」
 そう言って、アシュランは比較的(あくまでも『比較的』だ)無毒そうなコーヒーを、用意してあったカップに注いで少し口をつけ・・・。
アシュラン:ごふっっ!!!?
 あまりにも見た目通りな味に、盛大にむせ返った。
バチェラ:「や、やっぱダメだった!?」
 アシュランは何も言わずに、『料理』とさえ呼べなくなってしまった哀れな食物の成れの果てを片付けた。
バチェラ:「う・・・・」
アシュラン:「まったく、しょうがない・・・」
 それからおよそ30分後。操作席の机の上には、まあそこそこよくできたベーコンエッグとトースト、そしてモーニングコーヒーが二人分並べられていた。
アシュラン:「まあ、こんなところか・・・」
 それから、二人でいただきますをし、朝食を食べた。
バチェラ:「・・・うん、おいしいよ!アシュラン、キミって、見かけによらず料理できるんだね。ボク、てっきりキミは、毎朝メイドさんに朝食作ってもらってるのかと思ったよ」
アシュラン:「・・・なんだよ、そのイメージは。俺は軍人だったから、毎朝宿舎の食堂の安っぽい朝食だったし、第一今の時代、メイドさんなんていないぞ」
 まあ、確かに実家にいた頃は、毎朝お手伝いさんが朝食を作ってくれていたのだが。
アシュラン:「それに、俺は実際、料理はあまりしないよ。軍にいた時、隊の仲間が何か作るのを手伝ったことがあるだけだ。これだって、作り方さえ知っていれば、ほとんど始めての俺でもそれなりにはできるものだし」
 その言葉を聞いて、バチェラが一気に落ち込んでしまった。
バチェラ:「やっぱり・・・そうだよね。ボク、おかしいよね。女の子なのに、満足な料理一つもできないでさ」
アシュラン:「い、いや、バチェラは仕方ないだろ。その、ずっと一人暮らしで、料理を教えてくれる人なんていなかっただろうし。お、俺だって、前に基本的な作り方は(マリアに)教わったから、できたんだ。でなきゃ、バチェラと同じ失敗してたと思うよ、多分」
 しかし、バチェラはずーんと落ち込んだままだ。やはり、女の子に対する扱いとフォローは、アシュランには生来最も苦手な分野らしい。
アシュラン:「・・・とにかく、あまり気にするな。料理は、これから上手くなっていけばいいさ。それに、ほら、早く食べないと、冷めて美味しくなくなるぞ」
バチェラ:「・・・うん、そうだね。それに、実はボク、結構お腹空いてたんだ」
 そう言って、バチェラはすぐに機嫌を直し、育ち盛りの旺盛な食欲を見せた。
アシュラン:「おいおい、そんなに急いで食べて無くても、朝食は逃げないぞ。それに、『女の子らしく』を意識するんだったら、もうちょっと綺麗に食べた方がいい」
バチェラ:「う・・・うるさいな、わかってるよ・・・」
 すると、ふとバチェラの表情が緩んだ。
バチェラ:「でも、嬉しいな。こんな朝食、ずっと憧れてたんだ」
アシュラン:「こんな朝食?」
バチェラ:「うん。なんか、『家族団欒』みたいな朝食」
アシュラン:「・・・そうだったな。バチェラは、ずっと一人で暮してきたんだもな」
バチェラ:「うん・・。でも、こういう朝食、『初めて』ってわけじゃないんだ。むしろ、懐かしい感じ。ボクね、孤児院に預けられる前に、どっかの森の別荘みたいなところで暮してた、って話はしたかな。そこでも、こういう風景が、あったような気がするんだ・・・」
 そう言って、バチェラは懐かしそうに、遠くを見つめた。
バチェラ:「とは言っても、例によって、ほとんど覚えてないんだけどね。男の子が何人かと女の子が何人か、そして大人の男の人が一人いたようないないような、そのレベル。はっきり覚えているのは、その中の一人の男の子だけ。それも、つい最近思い出したんだけどね」
アシュラン:「家族団欒、か・・・・」
 そう言えばアシュランも、『家族団欒』というものには、思い返してみれば全く縁が無かったような気がする。母は自分をとても愛してくれてはいたが、自然科学者という職業もまた愛し、そしてその仕事のため家を空けることが多かった。そして、父は、そもそも自分を息子として、一人の人間として愛してくれたのかどうかすら今は怪しい。
アシュラン:「俺も、『家族』ってやつとは縁遠かったな、そう言えば。だから、そういう暖かい思い出のあるバチェラが、少し羨ましいよ・・・」
バチェラ:「でも、アシュランは、一人じゃなかったんだろ?だったら、ボクはその方が羨ましい。昨日助けてくれた人たちとアシュランって、なんだか家族みたいだったし」
アシュラン:「俺が?イザークたちと?」
 そうだろうか。しかし、思い返してみれば、そうかもしれない。ザラ隊の面々とは、いつも一緒にいて、よく衝突もしたけれど、これ以上無いほどお互い真剣にぶつかり合い、とても深いところで関係性を構築してきたようにも思う。これも、よく考えれば、『家族』という絆の形と、それほど違いは無いのではないか。
アシュラン:「・・・確かに、そうかもしれないな。そして、それなら、バチェラも昨日、俺の友達になっただろ。だから、これからはバチェラも、俺の家族のようなもの、ってことだな」
 すると、バチェラの表情がみるみる明るくなり、感極まったのか少し涙も浮かんでいた。
バチェラ:「ありがとう、アシュラン。ボク、アシュランに出会えて、本当によかった・・・」


 アシュランが朝食の片付けをしている間、バチェラは熱心に、周囲の機材を眺めてはいじり回していた。そして、その活き活きとした姿に、『やはりこれこそが本当のバチェラ』と、アシュランはついつい思ってしまうのだった。
バチェラ:「へー。没入プロセスには、メルカディック・プログラムを使ってるのか・・。没入時のスクリーンショットは、曼荼羅形状ね。ボクは、六望星形状が好きなんだけどな」
 久しぶりに聞くマニアックな単語に、アシュランもついつい話を合わせる。
アシュラン:「六望星形状だと、目がチカチカして、構造体に降り立った時に一瞬眩暈がするんだよ。だから、俺も曼荼羅形状が好みだな」
バチェラ:「う~ん、こればっかりは、大脳皮質レベルの違い、ってところかな・・・、って、アシュランも結構、マニアックな会話イケるクチ?」
アシュラン:「みたいだね。透とも、夜通しシュミクラム談義で盛り上がった経験があるし・・・」
バチェラ:「なるほど、透とまともにシュミクラムの話ができるなら、キミも相当マニアック、ってところか」
 その言葉を聞いて、アシュランはふと、目の前の少女が透たちの仲間だったことを思い出す。
アシュラン:「そういえば、バチェラは『草原の狼(ステッペン・ウルフ)』のメンバーだったよな。透たちのチームって、どんな感じだったんだ?」
 すると、バチェラはにわかに表情を曇らせた。
バチェラ:「メンバーって言っても・・・ボク、みんなから嫌われていたしね・・・。最後のハックだって、結局仲間外れにされちゃったんだ」
アシュラン:「どうしてだ?透たちが、無闇に人を仲間外れにするとは思えないけど・・・」
バチェラ:「それは、多分、ボクが顔も声も性別も隠していたからだよ。だから、みんな、『胡散臭い』って・・・・」
 確かに、超凄腕の正体不明な人物が目の前に現れたら、普通は警戒する。しかも、皆が現実(リアル)でも顔見知りで仲の良い友人たち、という『草原の狼(ステッペン・ウルフ)』。バチェラの存在は、さぞかし浮いていたことだろう。
アシュラン:「なら、姿を見せればよかったじゃないか。バチェラも透たちのチームが、好きだったんだろ」
バチェラ:「そうだけど・・・それは、できないよ・・・・」
アシュラン:「そうして?」
バチェラ:「だって・・・ボクが年下のガキみたいな女だってわかったら、きっと透たちだって、ボクをそれまでと同じような目では見てくれなくなるよ・・・」
 アシュランは、それを否定できなかった。あの星野ミツルのことを思い出す。あの一件はそれが正解だったとアシュランは今でも思っているが、『子供だから』という理由で透たちは彼の仲間入りを拒んでいたようだ(このことは、彼の死後、調査でわかったことだ)。バチェラほどの腕前を持っていようと、きっとそれは変わらなかったろう。人間とは、盲人でもない限り、視覚からの情報で物事を判断してしまいがちなのだ。
バチェラ:「・・・でも、それでも『草原の狼(ステッペン・ウルフ)』は最高だった。賭けてもいいよ!ボクの六年のハッカー人生の中で、色んなチームに出会ったけれど、大抵はバカで乱暴なやつらが暴れたいだけに作ったチームだとか、そんなチームが多かった。でも、あのチームは、本当に、居心地のいい、心から楽しいチームだった・・・」
 親友のチームをここまで手放しに褒められて、アシュランはなんだか、自分までも誇らしい気分になった。
バチェラ:「透やあきらがたまに悪乗りし過ぎるのが、玉に傷だったけどね。でも、そんな時は優哉がしっかり抑えてくれた。ボクも、優哉が商売始めた暁には、密かにスポンサーになろうとも考えていたんだ。もちろん、透の応援も含めてね」
 だから、唐突に『優哉』の名前を出されて、アシュランの胸は痛んだ。
アシュラン:「・・・済まない。なんて言葉じゃ、許されることでもないか・・・」
バチェラ:「あ・・ゴメン」
 バチェラも、自らの失言に気が付く。
バチェラ:「ボクはもう、優哉のこと、気にしてないよ。それに、透だって、他のみんなだって、もう誰も、アシュランのこと、恨んでないよ」
アシュラン:「他のみんな、か・・。そういえば・・・結局あきらには、このこと、話せなかったな。それに、あきらだって、俺が殺したようなもんだ・・・」
バチェラ:「あきらだって、きっと許してくれたよ!それに、あきらが死んだのだって、アシュランのせいじゃないじゃないか!!」
 バチェラは、アシュランの胸にしがみ付いて、涙目になって必死に訴えた。
バチェラ:「それに・・優哉だって、きっと自分の死で、アシュランをこれ以上苦しめたくないと思う。きっとそうだよ。優哉は、死んでいく自分のことより、仲間のことを、透のことを考えてたんだと、そう思う」
 バチェラが、ふと、緊張感の漂った表情になった。そう言えば、そもそもバチェラは、「話がある」と言ってアシュランにコンタクトを取ってきたのだ。
 つまり、これからが本題、ということだ。
アシュラン:「バチェラの『話』というのは・・・透のことなんだな」
バチェラ:「うん。話が早くて、助かるよ」
 バチェラはそう言うと、近くのコンソールに座り、ディスプレイを起動させた。
バチェラ:「これは、ボクがネットに敷いた監視網から拾ってきた映像だ」
 バチェラは持ってきた荷物からディスクのうち一つを取り出し、ドライブに入れる。
アシュラン:「これは?」
バチェラ:「とにかく見て。・・・驚かないでね、と言っても、無理だろうけど」
 そこには、シュミクラム同士の戦闘の映像が映っていた。
 一方は、明らかに十代のハッカーグループのものとわかる、派手に装飾されたシュミクラム。そして、もう一方は・・・・。」
アシュラン:「こ、これは、透!!?」
 そこに映っていたのは、天使のような翼を生やしたあのガンダム、透の乗っていた“フリーダム”に違いなかった。
 フリーダムは、隣にいる別のガンダムタイプのMSと共に、ただ目の前にいる敵、十代の少年のシュミクラムのコックピットを、機械的に次々と撃ち抜いていた。
少年:『やめ、止めてくれ、俺たち、降伏するから・・・うわぁぁぁ!!!』
 中には命乞いをする少年たちもいたが、フリーダムはそれに反応する様子も見せず、大分前から戦意を失い投降の意思を示していた少年さえも、無慈悲に撃ち抜いた。
 そして、少年たちの断末魔の悲鳴が止むと、二機のシュミクラムに対し、通信が入った。
玲佳:『ご苦労様、α―Ⅵ、α―Ⅶ。戻ってらっしゃい』
透:『了解』
月菜:『・・・了解』
 その声は、紛れも無く、透と月菜のものに間違い無かった。
 映像は、そこで途切れた。
アシュラン:「そんな・・・まさか、そんな!!透たちがこんな戦い、するはずが無い!!!」
 アシュランは、思わず叫んだ。バチェラは冷静に、悲しそうな声で告げる。
バチェラ:「うん、わかってる。透たちがこんな、いくら敵とは言っても、戦意の無い人たちを無差別に殺すはずが無いからね。だから、アシュラン、キミならわかるだろ」
アシュラン:「そうか・・・やはり、透たちは、あの橘玲佳に洗脳されているんだな」
 そうだ。透たちがV・S・Sに、つまり巨大な陰謀の懐に抱え込まれている現状を考えれば、すぐに予想できることだ。それに、I・V・Sの構造体で彼らと会った時、事実、月菜には洗脳の徴侯があった。あの後、すぐに透も洗脳されてしまったと考えても、何も不自然ではない。
アシュラン:「くそっ!!恐れていたことが現実に、という感じだな!!」
バチェラ:「そうだね・・・。そして、ボクはもうこんなこと、見ちゃいられないんだ」
 バチェラは、強い意志を宿した瞳で、ハッキリと頷いた。
バチェラ:「あの洗脳システムは、指示を出すAIがある限り、被洗脳者がどこにいても効果が現れる。だから、透たちを洗脳から救う手段は、V・S・Sを陥とすしかないんだ」
アシュラン:「なるほど。だから、俺に救援を求めてきた、というわけだな」
バチェラ:「うん・・・。本当はね、怖かったんだ。V・S・Sのセキュリティは並じゃない。ボクといえど、一人で挑んで勝てる可能性は五分五分だ。それに、以前透を説得しに行った時、結局バトルになっちゃって、ウィルスも一度大量に消費しちゃって万全じゃない。正直言って、自信は無かったよ・・・」
 そこで、バチェラはアシュランを見つめた。子供らしい、偽りの無い真っ直ぐな信頼の眼差し。
バチェラ:「だから、キミに助けを求めた。でも、今ならこれが最善の選択肢だった、って思えるよ。キミとなら、絶対に大丈夫だ。V・S・Sにも、負けはしない!」
アシュラン:「それで・・勝算は、あるんだな」
バチェラ:「うん。もうこっちで準備は整えてきたよ。あとは、キミとボクの戦闘能力さえあれば、どうとでもなる!」
 百戦錬磨のハッカーであるバチェラが言うのだ。その勝算とやらに、間違いはあるまい。
 アシュランも、心を決めた。もとより、最悪の場合は一人でもやるつもりだったのだ。
アシュラン:「ああ、そうだな。それなら、さっそく、透たちを救い出そう!」
 そして、アシュランはふと思い立って、近くのコンソールからメールフォームを開いた。
アシュラン:「一応、リャンたちにも、飛刀にも知らせよう。ゲンハたちには知られたくないから、大規模な援軍は期待できないが、しかし、相手はV・S・Sだ。打てる手は打っておくに越したことは無い」
バチェラ:「うん・・・。アシュランがやるべきだと思ったことなら、ボクにも異論は無いよ」
 アシュランは、リャン宛に今回の作戦の内容をメールで送った。リャンだって、同志、つまり仲間だ。このメールを見れば、何らかのリアクションを起こしてくれるかもしれない。
アシュラン:「よし。それじゃあ、作戦を打ち合わせよう。そして、決まり次第、早速作戦開始だ!!」
バチェラ:「おー!!」


 そして、その一時間後。完璧に打ち合わせを終えたアシュランとバチェラは、V・S・Sの構造体に潜入したのだった。


『没入(ダイブ)』


 アシュランはMS体となって、V・S・Sの構造体に降り立った。
バチェラ:「アシュラン、アジトから持ってきた『ベオウルフ』、ここの端末にインストールできたから、ボクも今すぐ没入するよ!」
 そうバチェラが言って間も無く、アシュランの隣に、もう一機のシュミクラムが降り立つ。キュベレイではない、巨大なバックパックを背負い、全身にビットのようなものを装備した、特異なガンダムタイプのシュミクラムだ。
バチェラ:「今回は総力戦だからね。ボクの持つ最強の機体で行くことにしたんだ。こいつは“プロヴィデンス”。キミの“ジャスティス”にも負けない、最高の機体さ。」
アシュラン:「そいつは頼もしいな。バチェラ、セキュリティの方は?」
バチェラ:「バッチリ!ありったけのウィルスをつぎ込んで、しっかり撹乱させてもらったよ。ここまでいけば、いくらかを攻撃用に回せる。あとは全部、ベオウルフがやってくれるからね」
ベオウルフ:「バチェラ、セキュリティの制圧に成功しました」
 ベオウルフがそう言った直後、構造体全域の電子回線から、奇妙な音声があちこちで流れ始めた。
※:「緊急事態、緊急事態。現在、構造体の警備に就いている各員は、生きるべきか死ぬべきかを、神に問うてください」
※:「F―8ブロックを警備しているユニットは、今すぐ自慰行為を始めてください」
※:「G-3は、すぐさまGユニット全員を誘って焼肉屋に行ってください」
アシュラン:「こ、これは・・・凄いな。色んな意味で」
 流石はバチェラ。腕前も一流なら、センスの悪さも超一流だった。
バチェラ:「へへ、どんなもんだい!V・S・Sは、警備の大半をシステムに頼っているから、それがメチャクチャになれば、やつらの戦力は半減さ!!」
 とは言え、V・S・Sのセキュリティ・コアは、軍のトップシークレットのデータベースに張られるレベル3セキュリティ以上の、超難攻不落の関門なのだが。
アシュラン:「何にせよ、すごいな、バチェラ!よし、あとはシュミクラム部隊を、俺たちで掻き分けていくだけだな!」
バチェラ:「うん!そして、それも今のボクらなら容易い!行くよ!!!」
 アシュランは、ネット上最強のセキュリティを持つ企業のシステムにここまで大打撃を与えるバチェラの腕前に内心舌を巻きながら、
※ :「M―5。あなたの用便の時間を、5割減にしてください」
※ :「R―4は、今すぐ包茎手術を受けてください。危険です」
女の子らしくなりたいのだったら、まずはこのセンスを教育し直さないとだめだな、と、内心密かにため息をつくのだった。


 二人は、拍子抜けするほどあっさりと、構造体の中心部へと歩を進めていった。
 しばらくすると、進行方向上にアストレイの部隊が接近してくるのをレーダーが捉えたが、どうやら彼らはこちらに気付いているわけではないらしい。
アシュラン:「どうする?やりすごすか!?」
バチェラ:「いや。別部隊と交戦してる時に戻ってこられても厄介だからね。先手必勝、やっちゃおう!!」
 そう言うが早いか、バチェラはシュミクラム隊の前に勢いよく飛び出すと、相手が銃を構えるより速く、全身に付いたビット状のものを射出する。
バチェラ:「放出!!」
 射出されたレーザービットたちは、目にも映らぬ速さで動き回り、次々とレーザーを発射、複数のアストレイの武装を、スラスターを、脚部を正確に撃ち抜き、彼らの戦闘力を一瞬で完全に奪い取る。
アシュラン:「凄い装備だな・・・」
バチェラ:「すごいでしょ!“ドラグーン”っていって、ファンネルなんかとは比べ物にならないくらい強力な武装さ。多分、この世でボク以外使いこなせないんじゃないかな」
 確かに、あのファンネルでさえ、神業的なプログラミング能力と高度な空間把握能力が必要なのだ。さもなければ、自分で撃ったファンネルのビームに自分が貫かれるのがオチだ。それよりも高出力、高機動力のドラグーンを扱えるのは、もはやバチェラのような、超人的なスキルを持った者以外は考えられない。
アシュラン:「それにしても・・・いやに警備が薄いな。ここに来るまで、まだ誰にも感付かれていないぞ」
バチェラ:「それはそうだよ。だって・・・」
 相変わらず狂気の世界を演出し続けている警報音声が聞こえる。
※ :「侵入者を、北部エリアにて捕捉。総員、そちらに向かってください」
※ :「侵入者を、南部エリアにて捕捉。総員、そちらに向かってください」
※ :「侵入者は、青いシュミクラムに乗り、武装はビームライフルを装備している模様」
※ :「侵入者は、黄色いシュミクラムに乗り、武装はビームサーベルのみの模様」
バチェラ:「ほらね」
アシュラン:「なるほど・・・」
 アシュランが感心した、その時だった。
※:「侵入者の一人は、居住していた軍宿舎に、ポルノムービーを五本、隠し持っています」
※:「侵入者の自慰回数は、週に平均三回程度の模様。場所は主に二階のトイレの左から三番目」
※:「侵入者の陰茎の最大膨張時の大きさは・・・」
アシュラン:バ、バチェラァァァ!!!!!!!
 悪趣味ここに極まれり、だった。
バチェラ:「ま、まあちょっとしたジョークだよ、ジョーク。」
アシュラン:「あのなあ、人の私生活を散々覗き見て、何がジョークだ!これは既に、ジョークの域を超えているぞ!!」
バチェラ:「ひょっとして・・・怒った?」
 これで怒らない人間が、どこにいるというのか。
バチェラ:「う・・・。でも、ほら、アシュランも男の子だから、仕方ないっていうか、アシュランがしてることは、ボク特に汚いとか不潔とか思わない、っていうか・・・・」
アシュラン:「フォローになってない!!!」
 帰ったら、一発ゲンコツくれてやらないといけないな。そう考えながら、アシュランは更に構造体を進んでいった。


バチェラ:「・・ねえ、さっきのこと、まだ怒ってるよね? 本当にゴメン」
アシュラン:「・・・さっきのことは、もう金輪際口にしないでくれないか」
バチェラ:「本当にゴメン!もうやらないから・・・。」
アシュラン:「どうやら、こんな下らない言い争いをしてる場合じゃないみたいだけどな」
バチェラ:「え?」
 見れば、前方からは見覚えのある機体、二機のシグーが高速で接近してきていた。
アシュラン:「一機任せるぞ!」
バチェラ:「うん!しっかり汚名返上してみせるね!!」
 次の瞬間、二人は散開した。
 アシュランはビームブーメランを投擲し、リフターを切り離して独立飛行させると同時に、ビームラーフルを撃ちながら突撃。シグーはビームをシールドで防ぐが、その瞬間動きが止まり、ブーメランとファトゥム-00、そしてビームサーベルを抜き放ったアシュランの三方向からの攻撃に襲われる。そして、シグーはビームブーメランを何とか防いだものの、ファトゥム-00のフォルティスビーム砲に背中のスラスターを撃ち抜かれ、サーベルのビーム刃によってビームライフルを持つ右腕を飛ばされ、更に残ったガトリング砲を持った左腕も戻ってきたビームブーメランによって斬り裂かれた。
 一方、バチェラも、ドラグーンでシグーを巧みに追い込み、ビームライフルと盾に装備されたビーム砲でシグーの両腕を貫いた。
バチェラ:「αユニットも、てんで大したことないや!!」
 その時、回線が突然開き、フェイスウィンドウに、クーウォンたちが戦ってきた仇敵、邪悪な陰謀の黒幕、橘玲佳が姿を現した。
玲佳:「あら、言ってくれるじゃない。それにしてもあなたたち、いずれ近いうちに『招待』するつもりだったのに、わざわざそっちからやって来るなんて、これこそ正に、とんで火にいるなんとやら、かしらね?」
 アシュランは、フェイスウィンドウに映る橘玲佳の傲慢な顔を睨みつけた。
アシュラン:「橘玲佳。透と月菜を、返してもらうぞ!!」
 すると、玲佳はあからさまに心外な表情をした。
玲佳:「あら。相馬透君は、元々『私のもの』よ。月菜さんは違うけど、彼女は透君といた方が幸せでしょ」
アシュラン:「何だと!!?」
玲佳:「それにね、貴方達も、元はと言えば私のものなのよ。『実験体』の朝倉ひかるちゃんに、アシュラン・ザラ君」
バチェラ:「!!?」
アシュラン:「何を言ってるんだ、貴様!!!」
 バチェラが、いきなり正体を看破されたためか、にわかに表情を強張らせた。
アシュラン:(『実験体』?何のことだ!?そう言えば、リャンを助け出した時も、似たようなことを聞かれた記憶が・・・)
 しかし、アシュランがそれ以上思考を進める前に、玲佳は声高らかに下僕に向かって命令を出す。
玲佳:「α―Ⅵ、α―Ⅶ、来なさい!」
 同時に、シグーたちが消失し、それと入れ違いに二機のシュミクラムが突如空間に出現する。そのシュミクラムは・・・。
アシュラン:「透!!」
 フリーダムとゼータ。透と月菜だった。
玲佳:「ふふふふ、どう?望んでいたお友達との感動の再会は」
アシュラン:「このゲスめ!!!」
バチェラ:「でも、アシュラン。このことは予想できていたはずさ。そして、問題は無い。今の彼らなら、ボクらでも十分勝てる!」
アシュラン:「そうだな・・・。透、月菜、俺だ、アシュラン・ザラだ!!目を覚ましてくれ!!!」
 一応、呼びかけてはみるが。
透:「・・・敵確認」
月菜:「社長、これより敵を、排除します」
 やはり、彼らは洗脳のコントロール下にあり、今はどうしようもない状態だ。
玲佳:「いいわよ。私の可愛い子供たち、彼らを『捕獲』しなさい!!」
 玲佳の命令と同時に、友のシュミクラムたちが、アシュランに向かってビームを浴びせた。
アシュラン:「クソッ!!」
 アシュランとバチェラはそれをかわすと同時に散開、アシュランが月菜のゼータを引き付けるうちに、バチェラが透のフリーダムに向き合う。
バチェラ:「いつもはかわされるけど・・・今ならどうだ!?」
 バチェラが、ドラグーンを一斉射出する。それらはそれぞれランダムで超高速に動き回り、全方位から透目掛けてビームを放つ。優れた反射神経とフリーダムのずば抜けた機動力で、透はそれらを回避しようと試みるが、全てを避け切ることはできず、左翼とビームライフルを撃ちぬかれる。
透:「く・・・」
バチェラ:「やっぱりね!いくらご自慢の洗脳システムといえども、透の並外れた操シュミクラム術まではAIじゃ完全に再現できないみたいだね!!」
 敵の動きの先の先までも見越して放たれるバチェラの全方位(オールレンジ)攻撃は、元来、人間がかわすことは不可能なはずだ。それを回避できるのは、透やゲンハといった、その回避行動の大部分を『勘』に頼り、更にそれを躊躇い無く実行できる、超人的なシュミクラム戦のセンスの持ち主のみである。そして、現在透は、玲佳が操作するマザーAIにその思考を完全に操られている状態が故、いつもの『勘』による超人的な回避は封じられ、逆に機械的な思考しかできない。ならば、バチェラからすれば格好の的なのだ。
バチェラ:「さあ、透、あとで絶対助けてあげるから、今は戦闘不能になってもらうよ!」
 しかし、その時だった!月菜がドラグーンのビームの射線上に突如割り込み、透を庇ったのだ。いや、『庇った』などとは違う!明らかに自らのコックピットをビームの射線上に無防備に曝したそれは、『自ら当たりに行った』とでも形容すべき、異様な行動だった。
アシュラン:「危ない!!!」
 直撃すれば十分にコックピットを貫けるビームが月菜に被弾する寸前、アシュランは慌てて月菜を突き飛ばすが、その時にビームがリフターを貫き、攻撃の要の一つであるファトゥム-00が消滅した。
アシュラン:「くそっ!!わざと当たりに行くように命令を受けていたのか!!」
 月菜のイーゲルシュテルンで突き放されたアシュランに、ビームサーベルを引き抜いた透が迫る。アシュランもビームサーベルを引き抜き、二機は激しく打ち合った。
アシュラン:「だが、やはり洗脳のためか?透の攻撃にいつもの『気迫』がない。これなら!」
 ましてや、今アシュランが乗っているのは、格闘戦では無敵を誇るジャスティスだ。アシュランはわけなく透の斬撃を捌き、フリーダムの右腕を切断しようとビーム刃を振り上げた。しかし。
アシュラン:「!!?」
 アシュランがビーム刃を振り下ろそうとする直前、透は、その斬撃の軌道上に己のコックピットを曝したのだ。
アシュラン:「クッ!!」
 アシュランの動きが止まった瞬間、透はすぐさま、アシュランのビームサーベルを持った右手首を斬り落とした。
 次の瞬間、いつの間にか背後に回りこんでいた月菜が、アシュランを地面に蹴り落とし、倒れたアシュランのコックピットに向けてビームライフルを構える。
玲佳:「チェックメイト!勝負あったわね」
アシュラン:「しまった・・・」
バチェラ:「くっ!!」
 この状況では、いくらバチェラが健在でも、反撃は無理だ。反撃しようとすればアシュランが撃たれるだけではなく、透たちがその攻撃に“当たりにいってしまう”可能性もある。つまり、人質を取っている敵自身もまた人質になり得るという、厄介この上ない状況だ。バチェラは、動きようが無い。
バチェラ:「畜生!」
アシュラン:「ひかる・・済まない」
玲佳:「ふふ、大丈夫、そんなに怖がらなくていいわ。あなたたちには、ただ、『我が社に入社してもらう』だけだから」
 無論、その言葉の意味は明らかだ。
 次の瞬間、アシュランとバチェラの頭上に、発光する網が出現、二人の上に覆いかぶさった。
アシュラン:「くそ、これは!!?」
 光る網に触れた途端、アシュランとバチェラは電子体に強制移行させられる。このネットは、明らかに捕獲用の電子アイテムだ。
バチェラ:「へん、こんなもの!!」
 バチェラは、網のプログラムを書き換えて脱出を試みたが。
バチェラ:「ちっ!このアイテム、ボクらと完全に同化してる!!これじゃあ、いくらボクでも・・・」
玲佳:「ふふ。これは、『あなたに匹敵するハッカーちゃん』を捕らえるために用意したアイテムと同じものだもの。私が外さない限り、この網は決して外れないわ」
その言葉を聞いたバチェラが、さっと青くなる。
バチェラ:「やっぱりお前、そのために透を・・・・」
玲佳:「どうやら、貴方はわかっていたようね。そして、言わなくてもわかると思うけれど、この網がある限り、貴方達はシュミクラム体に移行することも、転送も離脱もできないわよ」
アシュラン:「透・・・」
 透は、アシュランの呼びかけも全く聞こえない様子で、ただそこに立っているだけだった。それには『意思』が感じられない。ここにいるのは透だが、『相馬透』という中身は入っていない、ただの空っぽな人形に過ぎないのだ。
アシュラン:チクショォォォォォ!!!
 アシュランの叫びにも、透も月菜も一切の反応も示さなかった。
玲佳:「貴方達の実体はどこにあるかわからないけれど、まあそれでもいい。電子体に直接『措置』をしてから、実体をじっくりと探し出すことにするわ。さあ、α―Ⅵ、α―Ⅶ、二人を連れて行きなさい」
 そして、透と月菜は、ただ命ぜられるまま、アシュランとバチェラを連れ去ったのだった。


玲佳:「さあて、ふふ、見ているんでしょう?」
 玲佳に突然声をかけられ、憐は咄嗟に姿を隠した。しかし、そんなことは、全く無意味なことだった。玲佳は、憐の侵入を、完全に予測していたからだ。
憐:「あう・・・」
玲佳:「わかっているとは思うけれど・・・我が社に協力すれば、貴方の大好きな『お兄ちゃん』は返してあげる。けれど、もしそれを断われば・・・、ふふふふふ」
 わかっている。全てわかっている。何故なら、六年前からあの怖いオバサンは、ずっと憐のことを追っているのだ。
 七年前、施設にいた時から怖かった、あの女先生。彼女は、憐が『帰れなくなった』時から一年後、何故か沢山の兵隊さんを連れて、しばらく執拗な位に憐を追い回した。
 目的も、わかっている。最初に兵隊さんたちが追い回していた女の子を助けるため、憐が発現してしまった『あの力』を、あのオバサンは兵器として、おっかない戦争の道具として狙っているのだ。
 そして、憐自身も痛感している。『あの力』は恐ろしいものだ。一度発現すれば、その力は完全に憐の制御を超え、ようやく憐の言うことを聞くようになるまでに、何千人という人間を、殺すのだ。
 もしオバサンに、橘玲佳に捕まれば、玲佳は無理やりにでも、憐に『あの力』を発現させるだろう。そして、あの恐ろしい力によって、罪も無い人達が、また何千何万と死ぬのだ。
玲佳:「あと六時間以内に決めなさい。そうしなければ、貴方の大切なものたちは、二度とあなたの手の届かない場所に行くことになるわよ」
 そう言って、玲佳からの通信は切れた。
 いくら子供の憐にでも、玲佳の言っていることはわかる。つまり、憐が『あの力』を玲佳に差し出さなければ、玲佳は月菜お姉ちゃんや兄ちゃんの大切なお友達、更にはお兄ちゃんさえも殺す、と言っているのだ。それは、憐にとって、自分が殺されるよりも、ずっとずっと、耐え難いことだった。
憐:「うぅ・・・お兄ちゃん、憐は、憐はいったい、どうすればいいの・・・・?」
 憐の呟きにも、憐の嗚咽にも、応えてくれる者は、誰一人としていなかった・・・・。


 


第二十四章『潜入』完

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現在社会人として東京都心の企業に勤めている。出身地は北海道。
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